かっての村には やさしいココロが棲んでいました
おだやかに移ろう山の季節
無垢の大気に包まれた集落
昔からのつつましい暮らし
そこは南無阿弥陀仏の念仏で 阿弥陀如来が微笑む里
母は旅立つ父に贈りました
ナマンダブ
ナマンダブツ
ワスレルナ
村を跳びだした末裔は 今日もみちくさを愉しんでいます
アミダサマモ ワラッテゴザル
・・・ウタテエ ヨシタ・・・
金曜日に東京に雪を降り撒いた低気圧が発達しながら北上、
桂恋村は大荒れが予想どこにも出ないで自宅でボ~ツ、
窓の外の風に舞う雪を眺めていると、何となく故郷のことが・・
「白川村はどれくらい積もったのだろうか??」
冒頭の拙文は、10年前に作った写真集のまえがき、
「気取っていたな~」・・転記しながらチョッピリ恥かしい
そんな故郷アレコレにしばしのお付き合いのほど・・
「父ちゃん! ナマンダブ・ナマンダブを忘れんな~」
介護ベッドの脇で、母は父に向かって叫んだ・・何度も・何度も。
父は70才で脳梗塞を発症、リハビリに努めた甲斐があり18年も延命
危篤との連絡に、慌てて白川村を訪ねると・・父の意識はなかった。
故郷・白川村の歴史は、一向宗が落ちのびた里、
そのせいで、村人は「ナマンダブ」の念仏が日常の敬虔な信者、
もちろん我が家も同様、仏壇の扉を開けることから1日が始まる。
が・・母だけが長いお経が苦手、そんな態度から不信心では??
そんな母なのに終末を迎える父に・・「ナマンダブ、忘れるな」
「・・ええっ? 母ちゃんが云うの??」
間もなく80を迎える母もそんなに長くないような予感がした。
そんな母が5年後のこと、83才で白山の峰に旅立って逝った。
「意外にも? コンビニのレギュラーコーヒーは旨い」
by the way・・
我が家からzooまでは小一時間、途中にコンビニによる。
マフインを買い、コーヒーメーカーでアメリカンを淹れていると、
玄関ドアが開き、・・冷気と艶めかしい香りが同時にフワリンコ
思わず振り返ると、そこには映画から抜け出したようなピリカ
「モノスゴイ美人ちゃん、どこのどなただろうか??」
10年以上も前の、若かった当時のキャメロン・ディアスさん似??
「エライモノを見てしまった」 ボ~
ボ~ツとしたまま運転、30分ほどで目的地のzooに到着 ボ~
「アレッ?? コーヒーとマフインを買ったはず??」
私の脳細胞は美人麻痺症 全部コンビニに置き忘れた
何を見ても、何があっても、若い時には無かった症状、
私は加齢による立派な健忘症になってしまったのだ
祖父・祖母・父・母、そして子供5人・・・計9人家族
「朝食に何を食べたのか?」 「あの人は誰だった?」
買い物の置き忘ればかりでなく、この頃は何でも忘れてしまう
けれど・・ふるさとの想い出だけは決して忘れることがない!
9人家族だった白川村・生家は、いまでは跡取りの弟夫婦が2人だけ
両親の痕跡も薄くなり、間もなく消えてしまいそうだ。
けれども・・寂しくなった合掌家屋の隅々まで想い出が沁みついている。
白山を見上げる小さな集落にも、想い出だけは棲みついている。
想い出を黄泉逝きの手土産にするのだ
逝く前に・・
北だったら金沢、南だったら名古屋から・・自転車で訪ねようと思う
200㎞以上・・それは立派なトシヨリノヒヤミズになるだろう
その時のために、ついこの間、ドイターのバッグを買った。
「どの道を通って行こううかな??」・・コキリングの夢は尽きない。
ふるさとはココロのビタミン・・「ウタテエ・ヨシタヨ」
「あの~ 余計なお節介ですが?
都会育ちだから、ふるさとが無いと思われる方に!!
あなたのふるさとに? 桂恋村はどうでしょうか?」
阿寒の峰々、麓の湖、釧路川と湿原、
遥か千島海流を望む丘、そしてzooのナカヨシコヨシ
「お出でよ、大歓迎ですよ」
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