「
そこの芝生でお昼ごはんだよ」

ここは
zoo中央広場・・まもなく正午、
ママの指図で、笑顔の
よい子は芝生まで駆けっこ


「
いいな~・・
おじさんにもごちそうしてくれないの??」
・・と私が
よい子に声をかけると・・
「
うん、いいよ、オジサンのお仕事が終わったらね」
よい子はママに相談もしないで、軽く
OKサイン、
ママは黙って私に
ニコニコ会釈

眼を細めて我が子を眺めている。

それから小一時間ほどして、中央広場に戻った私が、
「
オジサンのお仕事は終わり・・オジサンのゴチソウは??」
・・と
よい子に声をかけると、屈託のない顔で、
「・・
オジサンのこと、忘れてしまったの・・おにぎりもうないよ
」
「
もうないの?? ガッカリ
」

「
でもね~ ココアちゃんとオトモダチ
になったんだからね」
大袈裟な落胆ぶりの私を慰めようと、
よい子は私に
ニコニコ・サイン
よい子を
ココアに紹介したさいの、「
オトモダチになって」との私の願い・・
よい子はちゃんと憶えていて、
オトモダチ
宣言をしてくれたのだ。

「
わたち・・オジサンになる~?!」
別の日のこと・・
ガラス窓を隔てて、
よい子に
ココアちゃんを紹介していると、突然の宣言、
戸惑う私とママ?? 「
何で??」と尋ねると、
zooのボランティア・ガイドになって、毎日
ココアちゃんと遊ぶのだと云う。
「
えっ、幼稚園を止めて?? 毎日ここに通うの??」
私の問いに、よい子は我が意を得たりと大きく肯く。
そして・・チョコで汚れた口元

から
ヨダレ・タラタラ、満足そうなお顔

「
ココアちゃんにお歌を唄って、オユウギを教えてあげるの」

曇りのない瞳は輝き、ガラス窓の
ココアちゃんと
アイコンタクト


ココアちゃんは6才のヤング、私は古希を迎えた老人ボランチ
何事も無ければ、あと
30年も生きられる
ココアちゃんに比べ、
黄泉バス乗車は明日かも知れない齢
70の私・・
よきちのひろ
毎日のように
パクパクしているケーキやアイス

の美味さは知っていても、
よい子たちは、浮世には【今生の別れ】があることを知ってる筈がない。
なのに、私に替って、
ココアちゃんの
ナカヨシ・フレンド候補が続々

ここアイヌモシリの全てははカムイの思し召し・・やさしい
よい子がいっぱい

「
たくさんのよい子たち、アリガトウ」
私もココアも幸せいっぱい
この日本の南から北まで、たくさんの動物園があり、
この国の未来を背負う
よい子があちこちにたくさんいらっしゃる。
けれども・・薄いガラス越しに猛獣とペロペロキッス

が可能になったり、
zooボランティアを志望する幼稚園児が現れるのはこの釧路zooだけ?
だから、ほかのよい子もお出でよ
オトモダチになろうよ!!
ココアちゃんとオジサンが待ってるよ
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