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桂恋かもめ・涙の決断

桂恋かもめ・正しい行い 028 【正しい決断 up and down019_20110320094743.jpg

生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ
ハムレットは悩んだ。

上げるべきか、下げるべきか、それが問題だ
ケンちゃんも悩んだ。

もう40年も前のこと・・
びえいの丘】で有名な美瑛町から旭川市に向かう国道での出来ごと。

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桂恋村は毎日のように冬晴れ、朝晩は-20度近くまでシバレる。
真冬の釧路川にゼニガタアザラシの赤ちゃんが遊びにやって来た。
そんなシバレる河畔の写真を眺めながら、昔ばなしをお聞きいただく。

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ケンちゃんは私が住んでいたアパートのお隣さんだ。
同い年で、いつも意気投合、美瑛町は彼の生家を訪ねた。
彼のやさしいお母さん、マゴコロこもったご馳走をたらふくいただいた。
旭川に戻ろうと、車を走らしたのは夜も更けた11時頃だった。
積雪は1mほど、除雪のために道路の両側は壁の様に切り立っている。

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急に雪が強い降りになり、フロントガラスもワイパーの拭き残しが出来る。
そのうちに、ボタ雪がワイパーブレードに団子のように絡み着く。

あっ ワイパー落ちたべ~
絡み着いた雪の重みで、左側のブレードがアームから外れて落ちたのだ。
停車して、落ちたブレードを探した。
強いボタ雪の中、真っ白になって探したが、雪に埋まって見つからない。
やむなくあきらめて、車内で一服、ワイパー無し運転の覚悟を決めた。
冷えるな・・チビリそうだ!」
ケンちゃんの言葉に釣られて、二人で車外で用を足すことにした。
これが【旭川劇場・ハムレット】の開幕だった。

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停車した先は農道に通じる交差点だった。
交差点の路肩、雪溜りの高くなった場所で、二人ならんで放水してると、
ダダーン ドサ バサッ
滑ったトラックが路側の雪溜りに突っ込んできた。
うわっ おおっ!!!」
二人は雪と一緒に飛ばされ、路肩から5mほど下に転がり落ちた。

放水は緊急自動停止、リセットどころではない。
ほうほうの体で雪をかき分け登り、どうにか車に辿り着いた。
トラックは路肩から脱出、運転手は何も言わずに去って行った。
突然の出来事、二人は互いに怪我の無かった無事を安堵し、雪を払った。

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  お~お~  イタタ はさんだ
物凄いケンちゃんの叫び声!!

何事かと見ると、股を左手で押さえて、妙なシャガミ腰。
放水窓を閉じる作業中、シャッターに放水銃を挟み込む事故が発生した。
皆さんご存じのように、放水銃は無数の毛細血管が集まる繊細な材質だ。
当然のこと、無数の神経細胞が網羅されているデリケートな構造なのだ。

イタッ 上げるかな?? 下げるか?? イダダダ!!」

女性の皆さん・・バッグやジャケットのYKKを想像していただきたい。
うっかりして、バッグのYKKハンカチを噛ませた経験がおありだろう。
YKKに、に、ようやくスムーズに動きホットした経験はおありだ。
噛まれた方のハンカチは傷つき、破れ、棄てる破目になることもある。
けれど、放水銃は人類にとって大切な道具、
「傷ついたからもう用がない!!」と簡単にポイ捨てできない。

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ケンちゃんはいつもニコニコ、やさしい温和な性格だ。
そのせいなのか、物事をスパット割り切る決断が出来ない。
この場合、思い切って上げても、下げても、傷口が広がる可能性が大だ。
ケンちゃんは、泣きべそ顔で悩んだ。
妙な歩き方で助手席に乗り込み、アパートに着くまでそのままでいた。

痛いけど・・上げるか、下げるか?? どっちかにして外そうよ・・
 明日一番で、病院に連れてってやるからよ


泣きべそ顔ケンちゃん・・
私の言葉に小さくうなずき、妙な歩き方で自分の部屋に消えていった。

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翌朝の4時頃、揺さぶられたので眼を覚ますと、
枕元にケンちゃんが股を両手で押さえて座っていた。

思い切って外したよ・・痛かったし、今もズキン・ズキン痛いよ・・
 病院まで頼むな・・血が出てるべ~ パンツの替えないかい
??」
今のようにコンビニなんて便利なものはない。
朝からパンツの売ってる店がないから、私の洗いざらしのパンツを穿いた。

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TVをボーツと見ていると、旅番組に【びえいの丘】が登場することがある。
今でも、40年も前のケンちゃんの生家を想いだす。
あの時ご馳走になった、お母さんの【水餃子】の旨さを忘れることはない。
そして、病院から帰ってきたケンちゃんの顔もはっきり憶えている。
うれしそうに笑いながら、私から借りたパンツを脱いで、真っ白な包帯を。
小さくて可愛い赤ちゃんのような放水銃だった

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あの時の【正しい決断】はどうだったのか??
上げたのか? 下げたのか? そう云えば、ケンちゃんに尋ねなかった・・
ケンちゃんは札幌にて悠々自適、二人のお孫さんにメロメロの毎日だ




















 





 
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